重症アトピー性皮膚炎の薬物療法は急速に進歩しています。アトピー性皮膚炎は寛解導入療法(ほぼ湿疹がない程度に落ち着かせる)と維持療法(プロアクティブ療法とも呼ばれ、多少の悪化は見るが、ほぼ寛解状態を維持する治療)に分けられます。いずれにも、ステロイド軟膏や非ステロイド軟膏(タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)」デルゴシチニブ軟膏(コレクチム軟膏)、ジファミラスト軟膏(モイゼルト軟膏))と保湿剤や痒み止め(坑ヒスタミン薬)が中心の治療となります。これらの治療で寛解までもっていくのが基本ですが、重症の患者さんではこれらの薬剤だけでは寛解導入までもっていけない場合もあります。最近、このような重症な患者さんに生物学的製剤(皮下注射)や経口JAK阻害薬が使えるようになり、効果には目を見張るものがあります。特に、デュピクセントやミチーガは副作用も少なく、小児でも使いやすい薬です。ただ、注射を長期に継続する必要があり、子供さんには負担がありますが、皮疹が良くなるだけではなく、痒みからも解放され、継続できる患者さんがほとんどです。当科はアレルギー疾患の患者さんは成人も診ております。遠慮なく相談して下さい。
2025.03.20